低燃費タイヤラベリング制度の見方|転がり抵抗とウェットグリップの等級を解説
タイヤのカタログや販売ページには「AAA / a」のようなラベルが付いています。2つの性能を等級で表した、日本自動車タイヤ協会(JATMA)の制度です。
この記事のポイント
転がり抵抗係数は5等級(AAA〜C)、ウェットグリップ性能は4等級(a〜d)で表示されます。乗用車用タイヤで「低燃費タイヤ」と表示できるのは、転がり抵抗係数が9.0以下(AAA〜A)で、ウェットグリップ性能がa〜dの範囲内にあるタイヤです。
ラベリング制度とは
JATMAが定めた業界の表示ガイドライン
ラベリング制度の正式名称は「低燃費タイヤ等の普及促進に関する表示ガイドライン」です。日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定めた業界の自主基準で、2009年12月に制定が公表され、2010年1月から運用が始まりました。タイヤの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を組み合わせた等級制度で、消費者に適切な情報を提供することが目的です。
対象になるタイヤ
現行のガイドライン(第4版、2026年3月26日付)では、消費者が交換用としてタイヤ販売店などで購入する市販用タイヤのうち、乗用車用タイヤと、一定の条件を満たす小型商用車用タイヤが対象です。スタッドレスタイヤとして販売されるタイヤは対象から除かれています。
ラベルが示す2つの性能
転がり抵抗性能:燃費に関わる性能
転がり抵抗性能は、タイヤが転がるときのエネルギー損失の大きさです。タイヤへの荷重に対する転がり抵抗の比率を「転がり抵抗係数(RRC)」といい、N/kNの単位で表します。数値が小さいほど、転がり抵抗が小さいことを表します。
ウェットグリップ性能:濡れた路面でのグリップ
ウェットグリップ性能は、路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力など)です。乗用車用タイヤはISO 23671に基づき、基準タイヤと比べた値を100倍した「ウェットグリップ指数」で表します。数値が大きいほど、グリップが高いことを表します。
乗用車用タイヤの等級表
転がり抵抗性能(AAA〜C)
| 等級 | 転がり抵抗係数 RRC(N/kN) |
|---|---|
| AAA | 6.5以下 |
| AA | 6.6〜7.7 |
| A | 7.8〜9.0 |
| B | 9.1〜10.5 |
| C | 10.6〜12.0 |
ウェットグリップ性能(a〜d)
| 等級 | ウェットグリップ指数 G |
|---|---|
| a | 155以上 |
| b | 140〜154 |
| c | 125〜139 |
| d | 110〜124 |
「低燃費タイヤ」と表示できる条件
乗用車用タイヤの条件
ガイドラインでは、乗用車用タイヤの場合、次の両方を満たすタイヤが「低燃費タイヤ」と定められています。この条件を満たしたタイヤには、「低燃費タイヤ統一マーク」を併せて表示します。
小型商用車用タイヤは別の基準
小型商用車用タイヤには、乗用車用とは別の等級表と条件が定められています。低燃費タイヤの条件は、転がり抵抗係数が8.0以下です。等級の範囲も、乗用車用とは異なります。
| 転がり抵抗の等級 | RRC(N/kN) | ウェットグリップの等級 | 指数 G |
|---|---|---|---|
| AAA | 5.5以下 | a | 140以上 |
| AA | 5.6〜6.7 | b | 125〜139 |
| A | 6.8〜8.0 | c | 110〜124 |
| B | 8.1〜9.0 | d | 95〜109 |
| C | 9.1〜10.5 | — | — |
ラベルを見るときの注意点
ラベルは2つの性能だけを示している
ラベルが示すのは、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の2つです。摩耗しにくさ(寿命)、静粛性、乗り心地、雪道での性能などは、ラベルからはわかりません。タイヤ選びの全体の流れはタイヤの選び方で解説しています。
燃費への効果は、使い方や空気圧によって変わる
ラベリング制度は、空気圧管理の重要性を啓発することも目的に含まれています。実際の燃費は、運転の仕方や路面、車の状態、空気圧などによって変わります。指定空気圧に合わせて点検することも大切です(タイヤの空気圧の目安と点検方法)。
ラベルの等級は、カタログやウェブサイトで確認できる
ガイドラインでは、タイヤ販売時に等級を消費者に開示し、カタログやホームページなどで表示することとされています。購入前に、販売ページやメーカーのサイトで、銘柄ごとの等級を確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
低燃費タイヤの条件は何ですか?
乗用車用タイヤでは、転がり抵抗係数が9.0以下(等級A・AA・AAA)で、ウェットグリップ性能が a〜d の範囲内にあることです。
転がり抵抗の等級は、AAAとCのどちらが良いですか?
転がり抵抗係数は、数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを表すため、AAAのほうが転がり抵抗は小さい等級です。ただし、タイヤ選びでは、ウェットグリップ性能や寿命、価格なども考える必要があります。
スタッドレスタイヤにもラベルはありますか?
現行のガイドライン(第4版)では、スタッドレスタイヤとして販売されるタイヤは、対象から除かれています。
ウェットグリップ性能の「a〜d」は、どの数値の範囲ですか?
乗用車用タイヤでは、aが155以上、bが140〜154、cが125〜139、dが110〜124です。
ラベルの内容は、どこで確認できますか?
カタログやメーカーのウェブサイト、販売ページなどで確認できます。制度の詳細は、JATMAやタイヤ公正取引協議会が公開しているガイドラインで確認できます。
参考リンク・出典(公式サイト)
この記事の内容は、次の公式サイト・公的機関・業界団体・メーカーの公開情報をもとにしています。法令や規格は改正されることがあるため、最新の情報は各サイトで確認してください。以下は外部サイトです。
- 一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA):タイヤの規格・安全に関する情報
- 低燃費タイヤ等の普及促進に関する表示ガイドライン(ラベリング制度):JATMA作成・タイヤ公正取引協議会掲載のPDF
- タイヤ公正取引協議会:ラベリング制度などの情報