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タイヤサイズ変更は車検に通る?保安基準の4つのポイントと外径差・速度計の基準

純正と違うサイズのタイヤを履くとき、気になるのが車検です。外径だけでなく、道路運送車両の保安基準に定められた複数の条件を、同時に満たす必要があります。

この記事のポイント
サイズ変更そのものは禁止されていません。車検では、①速度計の誤差、②タイヤの負荷能力(荷重指数)、③フェンダーからのはみ出し、④タイヤの状態(溝・損傷・空気圧)が関わります。外径差の「%の上限」を直接定めた数値は、この記事で確認した条文には出てきません。

最終更新:2026年10月4日

結論:サイズ変更自体は違法ではない

必要なのは「保安基準に適合していること」

純正以外のサイズのタイヤを装着すること自体は、禁止されていません。ただし、自動車は道路運送車両の保安基準に適合している必要があり、タイヤまわりでは「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」(以下、細目告示)に具体的な基準が定められています。

サイズを変えると、とくに「速度計」「タイヤの強度(負荷能力)」「車体からのはみ出し」の3点に影響が出やすくなります。

外径差の「%の上限」は、条文では確認できない

インターネット上では「外径差±3%以内なら車検に通る」といった目安が紹介されることがありますが、この記事で確認した細目告示の条文(第148条・第167条・第178条)には、外径差を%で制限する規定は見当たりません。車検で見られるのは、あくまで速度計の指示誤差など、条文に書かれた各項目です。このページでは、条文で確認できる内容だけを紹介します。

車検・保安基準で関わる4つのポイント

項目見られる内容根拠(細目告示)
速度計速度計の指示と実速度の差が基準内か第148条(保安基準第46条)
負荷能力タイヤに加わる荷重が、タイヤの負荷能力以下か第167条第4項(保安基準第9条)
はみ出しタイヤ・ホイールが、フェンダーより外側に出ていないか第178条第2項(保安基準第18条)
タイヤの状態溝の深さ、亀裂・コード層の露出などの破損、空気圧第167条第4項(保安基準第9条)

1つでも基準を満たさない項目があれば、基準に適合しません。外径が問題なくても、ほかの3項目で不適合になることがあります。

保安基準で関わる4つのポイント(外径・速度計、負荷能力、はみ出し、タイヤの状態)
4項目すべてを満たす必要がある

外径差と速度計の基準

速度計の基準(細目告示 第148条)

速度計の精度は、保安基準第46条第1項に基づく細目告示 第148条に定められています。速度計が40km/hを指したときの実際の速度を、速度計試験機で測定し、次の式に適合する必要があります(四輪の自動車の場合)。V1は速度計の指示速度、V2は試験機で測定した速度です。

平成19年(2007年)1月1日以降に製作された自動車
10 ×(V1 − 6)÷ 11 ≦ V2 ≦(100 ÷ 94)× V1
製作時期(四輪の自動車)表示40km/hのときの実速度
平成19年1月1日以降約30.9〜42.55km/h
平成18年12月31日まで約30.9〜44.4km/h

式から計算すると、V1が40のとき、下限は約30.9km/h、上限は約42.55km/h(平成18年12月31日までに製作された自動車の上限は約44.4km/h)です。二輪自動車などは、式の一部が異なります。

外径差(%)と実速度の関係

速度計がタイヤの回転数をもとに速度を表示する以上、外径が変わると、実速度は外径に比例して変わります。速度計そのものの誤差が無いと仮定して、表示40km/hのときの実速度を計算すると、次のようになります。

外径差表示40km/hのときの実速度
−5%約38.0km/h
−3%約38.8km/h
±0%(純正)40.0km/h
+3%約41.2km/h
+5%約42.0km/h
+6.4%約42.55km/h(上限)

実際の速度計には、純正状態でも誤差があります。この表は、メーターが正確だと仮定した計算です。サイズ変更後に基準内に収まるかどうかは、車ごとのメーターの誤差によって変わるため、整備工場や店舗で確認してください。外径が大きくなる方向は、実速度が上限側に近づきます。

外径の計算方法はタイヤ外径の計算式で、外径差から実速度を求める手順は同じ記事の「外径差から速度計誤差を求める」で説明しています。

荷重指数(負荷能力)の基準

タイヤの負荷能力以下であること(第167条第4項)

細目告示 第167条第4項では、積車状態の軸重を、その軸の輪数で割った値(空気入ゴムタイヤに加わる荷重)が、そのタイヤの負荷能力以下であることとされています。タイヤの負荷能力は「荷重指数(ロードインデックス)」で表されます。

インチアップで扁平率を下げたり、軽バン・商用車で乗用車用タイヤに替えたりするときは、荷重指数が足りなくなる場合があります。サイズを変えるときは、純正と同じか、それ以上の荷重指数を選びましょう。表記の見方はタイヤ側面の表記の見方で解説しています。

フェンダーからのはみ出し

回転部分は車体より外に出さない(第178条第2項)

保安基準第18条に基づく細目告示 第178条第2項では、車軸中心から前方30°・後方50°の範囲にある走行装置の回転部分(タイヤ、ホイールなど)が、直上の車体(フェンダなど)より外側に突出していないことが基準とされています。

タイヤのサイドウォールの一部は除かれる場合がある

同じ条文には、乗用車などで一定の条件を満たすタイヤの場合に、サイドウォールの文字・記号や、保護帯・リブ(突出量が10mm未満の場合に限る)の部分を除いて判断する、という趣旨の規定があります。ただし、この規定はタイヤのゴム部分に限られ、ホイールやボルトなどが車体より外側に出ている場合は、除外の対象ではありません。

はみ出しは、外径の計算ではわかりません。タイヤの幅、ホイールの幅、インセット(オフセット)をあわせて確認する必要があります(ホイールのインセット・PCD・リム幅の見方)。

タイヤの溝・損傷・空気圧

溝の深さは1.6mm以上

細目告示 第167条第4項では、四輪の自動車のタイヤの溝は、接地部のいずれの部分でも1.6mm以上の深さが必要とされています(二輪自動車と側車付二輪自動車は0.8mm以上)。ウエア・インジケータ(スリップサイン)で判定してもよいとされています。

亀裂・コード層の露出・空気圧

同じ項では、亀裂やコード層の露出など、著しい破損がないこと、空気圧が適正であることも基準になっています。サイズを変えた新品のタイヤでも、空気圧が不適切だと適正とはいえません。空気圧の管理はタイヤの空気圧の点検方法を参考にしてください。

構造変更が必要になるケース

タイヤ・ホイールの変更で車高や車幅が大きく変わり、車検証の記載事項に変更が生じる場合は、構造等変更検査(道路運送車両法第67条)の対象になります。どの程度の変更から対象になるかは、車種や変更内容によって異なるため、運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)や整備工場で事前に確認してください。

外径が変わると、車高も外径差の半分だけ変わります(タイヤ外径の計算式)。大きく外径を変えるサイズは、事前の確認が欠かせません。

不安なときの確認方法

  1. 外径差を計算する:ツールで、純正サイズと希望サイズの外径差を確認します。
  2. 荷重指数・インセット・すき間を確認する:荷重指数が純正以上か、フェンダーとのすき間に余裕があるかを確認します。
  3. 購入前に専門店へ相談する:タイヤ専門店・整備工場・ディーラーで、そのサイズが車検に対応できるか確認します。

サイズの組み合わせは、インチアップ・インチダウンの外径合わせでも紹介しています。

よくある質問(FAQ)

外径差は何%まで車検に通りますか?

この記事で確認した細目告示(第148条・第167条・第178条)には、外径差を%で制限する規定はありません。外径が変わると速度計の表示と実速度の関係が変わるため、速度計の基準(表示40km/hで約30.9〜42.55km/h)を満たすかどうかが関わります。基準内に収まるかは車ごとのメーターの誤差によって異なるため、店舗や整備工場で確認してください。

純正より外径が小さいサイズなら問題ありませんか?

速度計の基準では、外径が小さくなると実速度は表示より遅くなります。表示40km/hのときの下限は約30.9km/hなので、数%の違いであれば下限に近づくことは通常ありません。ただし、荷重指数やはみ出しなど、ほかの項目の確認は必要です。

ホイールがはみ出していると車検に通りませんか?

細目告示 第178条第2項では、走行装置の回転部分(タイヤ、ホイールなど)が直上の車体より外側に突出していないことが基準です。サイドウォールの文字や保護帯・リブなどを除く規定はタイヤのゴム部分に限られ、ホイール本体の突出は対象外です。

タイヤの溝は何mm残っていれば車検に通りますか?

四輪の自動車では、細目告示 第167条第4項により、溝は接地部のいずれの部分でも1.6mm以上の深さが必要です。ウエア・インジケータで判定してもよいとされています。

スタッドレスや夏タイヤへの履き替えでも同じ基準ですか?

季節用のタイヤでも、保安基準の考え方は同じです。純正と異なるサイズのスタッドレスを履くときも、速度計・負荷能力・はみ出し・タイヤの状態を確認してください(スタッドレスタイヤの選び方)。

車検の最終判断は誰がしますか?

車検は、運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)などの検査で判断されます。指定整備工場で受ける場合も、検査の結果で判断が変わることがあります。サイズ変更の前に、依頼予定の整備工場に相談するのが確実です。

参考リンク・出典(公式サイト)

この記事は、国土交通省が公開している細目告示の条文(第148条は2025年9月26日、第167条は2022年1月7日、第178条は2023年9月22日時点の版)をもとにしています。法令は改正されることがあるため、最新の内容は国土交通省で確認してください。以下は外部サイトです。

本記事は、条文をもとにした一般的な解説です。実際の車検の判断は、検査を行う事業所や車両の状態によって異なります。

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