トップ › タイヤ基礎知識 › タイヤの溝・寿命

タイヤの溝・寿命と交換時期|スリップサインの見方とローテーションの目安

タイヤは消耗品です。溝の深さ、ゴムの経年劣化、偏摩耗の3点を確認すれば、交換時期を判断する手がかりになります。

この記事のポイント
四輪の自動車のタイヤの溝は、保安基準で接地部のいずれの部分でも1.6mm以上の深さが必要です(スリップサインで判定してもよいとされています)。ブリヂストンの資料では、使用開始後5年以上のタイヤは点検、製造後10年経過したタイヤは交換が勧められています。

最終更新:2026年10月4日

溝の深さと法令上の使用限度

保安基準:溝は1.6mm以上

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第167条第4項では、四輪の自動車のタイヤについて、滑り止めの溝は、接地部のいずれの部分でも1.6mm以上の深さが必要とされています(二輪自動車と側車付二輪自動車は0.8mm以上)。滑り止めの溝の深さの判定は、ウエア・インジケータ(スリップサイン)で行ってもよいとされています。

溝が1.6mm未満のタイヤは、保安基準に適合しません。ブリヂストンの資料でも、タイヤの溝深さの使用限度は、スリップサインが露出する残り溝1.6mmで、それ以前に新品タイヤに取り替えるよう案内されています。

新品の溝の深さと、溝の役割

JATMAに掲載された資料では、新品のタイヤの溝は、おおよそ8mm程度と説明されています。溝は、路面の水を排出する役割があり、溝の深さが足りないと、雨天の高速道路で、タイヤが水に浮いてハンドルもブレーキも効かなくなるハイドロプレーニング現象が起きやすくなるとされています。

冬用タイヤは「新品時の50%以上」が目安

積雪・凍結路を走る場合、ブリヂストンの資料では、冬用タイヤの残り溝が新品時の50%以上あることを確認するよう案内されています。接地部にプラットホームが設けられているタイヤは、プラットホームが露出しているかどうかで判断し、残りの溝が新品の50%未満のタイヤは、冬用タイヤとしては使用しないとされています。国土交通省の資料でも、残り溝深さが「プラットホーム」に達している状態は、冬用タイヤとして使用できないと説明されています(スタッドレスタイヤの選び方)。

スリップサインの見つけ方

側面の「△」「TWI」が目印

タイヤの側面にある「△」やTWIの刻印は、スリップサインの位置を示しています。その延長線上の溝の底に、小さな突起(スリップサイン)があり、溝が減ってこの突起が路面と同じ高さになった状態が、残り1.6mmです。

確認のしかた

スリップサインは、タイヤの周上の複数の箇所にあります。位置を変えながら、全周を確認しましょう。デプスゲージ(溝の深さを測る工具)があれば、より正確に溝の深さを測れます。スリップサインが現れたタイヤは、交換が必要です。

年数による劣化と交換の目安

使用開始後5年、製造後10年の考え方

ゴム製品であるタイヤは、ゴムの特性が経時変化します。ブリヂストンの資料では、日常点検に加え、使用開始後5年以上経過したタイヤは、継続使用に適しているか、すみやかにタイヤ販売店などで点検を受けることが勧められています。また、外観上使用できそうに見えても、製造後10年経過したタイヤ(スペアタイヤを含む)は、新しいタイヤに交換することが勧められています。

この年数は目安であり、実際の使用期限ではないと、同資料に注記されています。保管条件や使用方法によって、10年を経過していないタイヤでも交換が必要な場合があります。車両メーカーが、取扱説明書にタイヤの点検・交換時期を記載している場合は、その内容も確認してください。

製造年週の確認方法

製造年週は、側面の刻印(DOT)の末尾4桁で確認できます。前の2桁が製造週、後ろの2桁が製造年です。見方はタイヤ側面の表記の見方で解説しています。

偏摩耗・損傷のチェック

空気圧とアライメントの管理

ブリヂストンの資料では、空気圧に過不足があるとタイヤの損傷や事故につながるおそれがあるとされ、ホイール・アライメントに異常があると、操縦安定性の不良や異常摩耗が発生する場合があるため、適宜アライメントを確認・調整するよう案内されています。空気圧はタイヤの空気圧の目安と点検方法で解説しています。

亀裂・コード層の露出・傷

保安基準(細目告示 第167条第4項)では、亀裂やコード層の露出など、著しい破損のないことも基準とされています。ブリヂストンの資料でも、コードに達している外傷やゴム割れのあるタイヤは使用しないよう案内されています。

異常を感じたとき

走行中に車が操縦不安定になったり、異常な音や振動を感じたときは、安全な場所に停車して、車とタイヤを点検するよう、同資料で案内されています。外観に異常がなくても、できる限り低速で移動し、タイヤ販売店などに点検を依頼するよう示されています。

ローテーション(位置交換)

摩耗が不均一になる理由

ブリヂストンの資料では、タイヤの摩耗は、駆動輪と操舵輪など装着位置によって受ける力が異なるため、均一にはならないとされています。異常振動・騒音の防止と、タイヤ寿命を延ばすために、位置交換(ローテーション)を適宜実施するよう案内されています。

方向指定タイヤ・前後でサイズが違う車

位置交換は、車両の使用条件に合わせて、適正な方法で定期的に行うよう示されています。回転方向の指定があるタイヤは、指定どおりに装着する必要があります。前後でサイズが異なる車は、位置交換の方法が限られるため、タイヤ販売店などに相談してください。

寿命を延ばすポイント

空気圧・運転・保管

  • 空気圧の点検:最低でも1か月に1度、冷えているときに点検します。
  • 急な操作を避ける:ブリヂストンの資料では、急発進・急加速・急旋回・急制動は危険なため、避けるよう案内されています。
  • 縁石や段差に注意:道路の縁石にタイヤの側面を接触させたり、凹みや突起物を乗り越えたりすることは避けるよう示されています。
  • 保管:外したタイヤは、直射日光や雨を避けて保管します(タイヤの保管方法)。

新品に替えたあとのならし走行

同資料では、新品のタイヤを装着したときは、タイヤがなれるまで、60km/h以下の速度で200km以上のならし走行を行うよう案内されています。

よくある質問(FAQ)

タイヤの溝は何mmで交換すべきですか?

保安基準では、四輪の自動車のタイヤの溝は、1.6mm以上の深さが必要です。ブリヂストンの資料でも、スリップサインが露出する残り溝1.6mmが使用限度で、それ以前に交換するよう案内されています。

スリップサインはどこにありますか?

側面の「△」やTWIの刻印の延長線上、溝の底にある小さな突起です。突起が路面と同じ高さになると、残り溝が1.6mmです。

溝が残っていれば、何年でも使えますか?

いいえ。ブリヂストンの資料では、外観上使用できそうに見えても、製造後10年経過したタイヤは交換を、使用開始後5年以上経過したタイヤは点検を受けることが勧められています。

スタッドレスは、溝がどのくらい残っていれば使えますか?

ブリヂストンの資料では、冬用タイヤは残り溝が新品時の50%以上あることを確認し、プラットホームが露出していれば、冬用タイヤとしては使用しないとされています。

ローテーションは必要ですか?

ブリヂストンの資料では、位置交換により異常振動・騒音を防止し、タイヤ寿命を延ばすため、適宜実施することが案内されています。

参考リンク・出典(公式サイト)

この記事の内容は、次の公式サイト・公的機関・業界団体・メーカーの公開情報をもとにしています。法令や規格は改正されることがあるため、最新の情報は各サイトで確認してください。以下は外部サイトです。

本記事は、保安基準の条文(細目告示 第167条)とブリヂストンのタイヤカタログ(2025〜2026年版)の記載にもとづいて整理しています。交換時期は、使用状況や点検の結果によって異なります。

タイヤを交換するとき、サイズを変えるなら外径の確認を。

タイヤ外径比較ツールを使う